レベルA1 · 第15課
樫の木に縛られた少年
ドン・キホーテは初めて不正をただし、満足して去っていきます。そのつけを払うのは少年です。

このレッスンで学ぶこと
- 起こって終わったことを過去形で語る。
- 規則動詞 -ar, -er, -ir の点過去をつくる。
- Place events in time: ayer, entonces, aquella tarde, de pronto.
読む前に
この文章の動詞は、もう現在形ではありません。Volvió, encontró, gritó, obedeció, salió。これが物語を語るときの過去形です。最後の音節のアクセント記号に注目しましょう。やさしいスペイン語で読む物語
Aquella mañana don Quijote volvió hacia su pueblo. De pronto escuchó unos gritos entre los árboles y entró en el bosque.
その朝、ドン・キホーテは村へ引き返しました。突然、木々のあいだから叫び声が聞こえ、彼は森へ入っていきました。
Allí encontró a Andrés, un muchacho atado a una encina. Un labrador rico, Juan Haldudo, lo golpeó con un cinturón de cuero.
そこで彼は、トキワガシに縛られた少年アンドレスを見つけました。裕福な農夫フアン・アルドゥードが、革のベルトで少年を打っていました。
«¿Por qué pegas a este chico?», preguntó el caballero. «Es mi criado y pierde mis ovejas», contestó el labrador.
「なぜこの若者を打っているのか」と騎士はたずねました。「わしの使用人で、羊をなくすからです」と農夫は答えました。
«¡Miente!», gritó Andrés. «No me pagó nueve meses de trabajo.»
「うそです!」とアンドレスは叫びました。「九か月分の給金をもらっていないんです。」
Entonces don Quijote levantó la lanza y ordenó: «Desata al muchacho y paga ahora mismo.»
そこでドン・キホーテは槍を振り上げ、命じました。「少年の縄を解き、今すぐ給金を払え。」
El labrador miró la lanza larga, obedeció y prometió el dinero en su casa.
農夫は長い槍を見て従い、家に帰ったら金を払うと約束しました。
El caballero salió del bosque muy contento con su primera aventura.
騎士は初めての冒険に大満足で森を出ました。
Aquella tarde Juan Haldudo ató otra vez al muchacho y continuó con el cinturón. Andrés aprendió aquel día una cosa nueva sobre los caballeros andantes.
その日の午後、フアン・アルドゥードは少年をまた縛り、ベルトで打ち続けました。アンドレスはその日、遍歴の騎士について新しいことをひとつ学びました。
語彙
森と野原
- la encina
- トキワガシ
- el bosque
- 森
- la oveja
- 羊
- el grito
- 叫び声
主人と使用人
- el labrador
- 農夫
- el criado
- 使用人、作男
- el muchacho
- 若者、少年
- atar / desatar
- 縛る / ほどく
- pegar
- 打つ、たたく
- deber
- 借りがある
いつ起こったか
- ayer
- 昨日
- entonces
- そのとき、それから
- de pronto
- 突然
- aquella mañana / aquella tarde
- その朝 / その午後
点過去:規則動詞
Aquella mañana don Quijote volvió hacia su pueblo.
El labrador obedeció y prometió el dinero.
Andrés aprendió aquel día una cosa nueva.
これは起こって終わったことの時制です。始まりも終わりも物語の中にある、完結した出来事です。物語はこの時制で語られ、ここからようやくドン・キホーテをきちんと語ることができます。
| hablar(話す) | comer(食べる) | vivir(住む、生きる) | |
|---|---|---|---|
| yo | hablé | comí | viví |
| tú | hablaste | comiste | viviste |
| 彼 / 彼女 / usted | habló | comió | vivió |
| 私たち | hablamos | comimos | vivimos |
| きみたち(スペイン) | hablasteis | comisteis | vivisteis |
| 彼ら / ustedes | hablaron | comieron | vivieron |
ここでは2つの点で手間が省けます。-er 動詞と -ir 動詞はまったく同じ語尾をとること、そしてアクセント記号がつくのは2つの形だけ、-é / -í(私)と -ó / -ió(彼・彼女)だということです。
この2つのアクセント記号が大事な仕事をすべて引き受けています。記号がなければ hablo は「私は今話す」。記号があれば habló は「彼は昨日話した」。小さな一画で、人称と時の両方が変わるのです。
この時制は、区切られた時を表す言葉といっしょに使われます。ayer(昨日)、anoche(昨夜)、entonces(そのとき)、de pronto(突然)、aquella tarde(その午後)、aquel día(その日)。
使用人、日給、9か月の未払い
アンドレスは雇われの使用人です。決まった額、たいていはごくわずかなお金と食事と靴一足で、一年中働きます。畑の日雇い労働者には jornal、つまり日の出から日没までの一日分の賃金が払われ、1600年ごろのカスティーリャでは2レアルほどでした。9か月の未払いはとんでもない話ではなく、ごく普通のことでした。主人は払いたいときに払い、使用人には訴える相手がいなかったのです。
だからフアン・アルドゥードは槍を見たとたんに従い、槍が去ったとたんに少年をまた縛るのです。あの街道の法とは、たまたまそこに立っている者のことでした。
セルバンテスはこの場面をここで終わらせません。アンドレスは第31章で再び現れ、ドン・キホーテにただひとつ、どうか二度と自分を助けないでくれと頼むのです。
セルバンテスの原文で · «Señor caballero, este muchacho que estoy castigando…»
Señor caballero, este muchacho que estoy castigando es un mi criado
騎士殿、わしが罰しているこの小僧は、わしの使用人でして
Un mi criado は古い言い方です。今なら un criado mío と言います。鍵になる単語はもう知っています。caballero, muchacho, criado です。
