レベルA1 · 第16課
トレドの商人たち
6人の絹商人の前に、道をふさぐ槍と、答えようのない問いが待ち受けています。

このレッスンで学ぶこと
- ひとつの場面を、始めから終わりまで過去形で語る。
- 最もよく使う7つの不規則動詞の点過去を使う。
- Chain events together: primero, entonces, después, al final.
読む前に
とてもよく使う7つの動詞は、前のレッスンの規則に従いません。fue, vio, tuvo, estuvo, hizo, dio。アクセント記号はつかず、ひとつずつ覚える必要があります。やさしいスペイン語で読む物語
Aquella tarde don Quijote fue hacia su pueblo por el campo de Montiel. De pronto vio en el camino a seis mercaderes de Toledo.
その午後、ドン・キホーテはモンティエルの平原を通って村へ向かいました。突然、道にトレドの商人が6人いるのが見えました。
Los mercaderes hicieron aquel viaje para comprar seda en Murcia. Con ellos fueron cuatro criados a caballo y tres mozos de mulas a pie.
商人たちはムルシアで絹を買うためにその旅をしていました。いっしょに、馬に乗った使用人が4人と、徒歩のラバ番が3人いました。
Don Quijote estuvo un momento quieto en medio del camino. Entonces tuvo una idea magnífica.
ドン・キホーテはしばらく道の真ん中でじっとしていました。それから、すばらしい考えを思いつきました。
Para él, aquellos hombres no compraron seda: fueron caballeros de una aventura.
彼に言わせれば、その男たちは絹を買いに行くのではなく、冒険物語の騎士たちでした。
Hizo un gesto con la lanza y dio un grito terrible: «¡Aquí no pasa nadie! ¡Primero, la verdad!»
彼は槍で身ぶりをし、恐ろしい大声をあげました。「ここは誰も通さん!まずは真実を!」
Los mercaderes se miraron. Uno de ellos, un hombre tranquilo, dio un paso adelante.
商人たちは顔を見合わせました。そのうちのひとり、落ち着いた男が一歩前に出ました。
«Señor caballero, ¿qué verdad?», preguntó con mucha calma.
「騎士殿、どんな真実ですか」と彼は落ち着き払ってたずねました。
Aquella pregunta fue el principio del desastre. Fue un suceso muy extraño en un camino tranquilo.
その問いが災難の始まりでした。静かな街道での、なんとも奇妙な出来事でした。
語彙
商い
- el mercader
- 商人
- la seda
- 絹
- el viaje
- 旅
- el mozo de mulas
- ラバ番の若者
場面
- el gesto
- 身ぶり
- el paso
- 一歩
- quieto / quieta
- じっとした、動かない
- la calma
- 落ち着き
- el suceso
- 出来事、事件
- el desastre
- 災難
話をつなぐ
- primero
- まず、最初に
- entonces
- それから、そのとき
- después
- そのあと
- al final
- 最後に
不規則な点過去:避けて通れない7つ
Don Quijote fue hacia su pueblo y vio a seis mercaderes.
Estuvo un momento quieto y entonces tuvo una idea.
Hizo un gesto con la lanza y dio un grito terrible.
どの言語でも、いちばんよく使われる動詞はたいてい、いちばん不規則な動詞です。あまりに頻繁に口にされるので、角がとれて規則的になることがないのです。この7つは暗記するしかありませんが、これだけで小説の半分は語れます。
| 不定詞 | I | きみ | 彼 / 彼女 | 彼ら |
|---|---|---|---|---|
| ser / ir(…である / 行く) | fui | fuiste | fue | fueron |
| tener(持つ) | tuve | tuviste | tuvo | tuvieron |
| estar(…にいる、…である) | estuve | estuviste | estuvo | estuvieron |
| hacer(する、作る) | hice | hiciste | hizo | hicieron |
| ver(見る) | vi | viste | vio | vieron |
| dar(与える) | di | diste | dio | dieron |
面倒を避けるための3つの注意:
1つ目。これらの形にはどれもアクセント記号がつきません。fue、vio、dio であり、決して fué や vió ではありません。
2つ目。ser と ir はまったく同じ形を共有しています。Fue mi criado は「彼は私の使用人だった」。Fue a Murcia は「彼はムルシアへ行った」。後ろに来るものでいつも区別がつき、4世紀のあいだ誰も混乱したことはありません。
3つ目。話すときの強勢は語尾ではなく語幹に置かれます。TU-vo、HI-zo、ES-tuvo。規則動詞では語末に置かれていました。vol-VIÓ。
ひとつの物語をつなげるには、primero…(まず)、entonces…(それから)、después…(そのあと)、al final…(最後に)。
街道、絹、そしてなぜムルシアなのか
セルバンテスは「何人かの男が通りかかった」とは書きません。トレドの商人が6人、ムルシアへ向かう途中で、絹を買いに行くところで、馬に乗った使用人4人と徒歩のラバ番3人を連れている、と書きます。この帳簿係のような目録こそが場面を滑稽にしています。郷士の空想が、正確な事実の積み重ねに正面からぶつかるのです。
そしてその事実は本物でした。ムルシアはスペインで最高の絹を産し、トレドはそれを織って売りました。2つの都市のあいだには、現金を持った商人、荷を積んだラバ、武装した使用人がひっきりなしに行き来していました。ラ・マンチャの街道は長く、乾いていて、取り締まる者もいなかったからです。
大事な商用で旅する13人の男が、まったく別の用事で旅するひとりの男に出会います。この先の出来事は次のレッスンで語られますが、騎士にとってよい結末にはなりません。
セルバンテスの原文で · «descubrió don Quijote un grande tropel de gente…»
descubrió don Quijote un grande tropel de gente, que, como después se supo, eran unos mercaderes toledanos que iban a comprar seda a Murcia. Eran seis, y venían con sus quitasoles
彼が進む道の向こうから、ムルシアへ絹を買いに行くトレドの商人が六人ほどやって来るのが見えました
ここにこのレッスンの vio があります。セルバンテスが1605年に書いたとおりです。camino、seis、mercaderes、comprar、seda も読み取れるでしょう。
