C2 · 後編、序文と第74章
偽の後編と、本の最後のページ
1614年、何者かがアベリャネーダの名で偽の続編を出版しました。セルバンテスは二度応えます。序文では応えないことによって、そして本のいちばん最後のページでは、自分の騎士が二度と使われないようにすることによって。しかも最後のページを語っているのはセルバンテスではありません。この細部が、文の読み方を変えてしまうのです。
セルバンテスが書いたままの抜粋
ミゲル・デ・セルバンテス『ドン・キホーテ』後編、序文と第74章。原文のまま。
Para mí sola nació don Quijote, y yo para él; él supo obrar y yo escribir; solos los dos somos para en uno, a despecho y pesar del escritor fingido y tordesillesco que se atrevió, o se ha de atrever, a escribir con pluma de avestruz grosera y mal deliñada las hazañas de mi valeroso caballero, porque no es carga de sus hombros ni asunto de su resfriado ingenio
ドン・キホーテは私ひとりのために生まれ、私は彼のために生まれた。彼は行うことを知り、私は書くことを知っていた。私たちふたりだけが互いのためにできているのだ。わが勇敢な騎士の偉業を、粗末で削り方の悪いダチョウの羽ペンで書こうとした、あるいはこれから書こうとするトルデシーリャスの偽作者がいようともだ。それは彼の肩に負える荷ではなく、彼の冷えきった才知が扱える題材でもないのだから。
同じ内容を、今日書かれるスペイン語で
二つを並べて読んでみましょう。両者の間で変わったことが、このレベルの学習内容です。
Para mí sola nació don Quijote y yo para él; él supo actuar y yo escribir; los dos solos estamos hechos el uno para el otro, a pesar del escritor falso y tordesillesco que se atrevió, o se atreverá, a escribir con una pluma de avestruz grosera y mal cortada las hazañas de mi valiente caballero, porque no es carga para sus hombros ni asunto para su ingenio resfriado
形ごとの変化
| 原文 | 現在 | なぜ大事か |
|---|---|---|
| para en uno | hechos el uno para el otro | 結婚式の言葉から来た決まり文句です。 |
| a despecho y pesar de | a pesar de | 強調のために二重にした決まり文句で、残っているのは後半だけです。 |
| tordesillesco | de Tordesillas | 悪口としてその場で作られた形容詞です。 |
| mal deliñada | mal cortada | 羽ペンについて、削り方が悪いという意味です。この単語はもう使われません。 |
| resfriado ingenio | ingenio frío | 風邪をひいた才知。これもセルバンテスの造語です。 |
| se ha de atrever | se atreverá | 未来を表す haber de、これが最後の登場です。 |
構文
接続詞なしで並ぶ三つの節のあと、悪口のすべてを背負う長い関係節が続き、文は主筋に戻ってきません。文は従属節の中で終わります。これは終止符で閉じる文というより、声が途切れていくときの形です。
スペイン語の読者に聞こえるもの
sola は女性形で、急いで読む人はここでつまずきます。話しているのはセルバンテスではありません。シデ・ハメーテのペン、la pluma で、彼はそれを棚に掛けたばかりで、そこにいるよう言いつけたところです。つまり本の最後の言葉を口にするのは架空のモーロ人の歴史家で、1614年に本当に作品を盗まれた現実の作者は、自分の名では何ひとつ言わないのです。sola を誤りだと読めば、結末のすべてを取り逃がします。
この講座のどこでこの準備ができるか
- B2のすべてと、そこまでの講座のすべて第90課物語の結末
